2012/10/4 決算特別委員会傍聴記
こんにちは。平成24年度第三回江戸川区議会定例会、決算特別委員会の3日目(10/4)を傍聴して参りました。スタッフの原です。2日目(10/2)、一般会計の歳出/議会費と総務費の審査も傍聴させていただきましたが、不勉強のためなかなかまともな記事が書けませんでした。今回は、前回の反省を生かし、4-5倍のメモを取って挑むことにいたしました!(例え区役所が傍聴用の資料をくれず、録音も許可してくれなくとも!!!)
本文に入る前に、改めて念を押しておきたいのですが、区議会の方がもし見ていたら、ぜひ以下のことをご検討ください。傍聴に来た人間のために議会で参照される資料をください。我々が傍聴する席の前に座っている区役所の職員の方々は議員や、区職員の答弁のたびに、資料をペラペラめくっているのを知っています。いつも「あの資料欲しいなぁ…」と思いながら傍聴しております。また、メモを取るのがなかなか骨が折れるので、ノートPCを使用したいと願い出たところ不許可でした。もうすこし柔軟にお願いしたいです。
愚痴はさておき、決算特別委員会3日目の今日は区民生活費と産業振興費についての審査です。朝の10時に始まって、終わったのが夕方の17時。なかなかの長丁場でありました。私の他に傍聴していたのはスーツ姿の40代くらいの男性1人(この方は最初から最後までいました)、もう一人スーツ姿の40代くらいの男性一人(途中で来られて途中で退出されました)、そしてもう一人は、午前も午後も最初の方だけ参加されたご老人の男性。以前に2度江戸川区議会を傍聴しましたが、私を含め4人もいたのは初めてのことでした。印象的だったのは、最初から最後まで傍聴していた男性が15時くらいにもぞもぞと動き始めたことです。どう座りなおしても、肩こりと腰痛が辛くなったという感じで、おもわず「わかります・・・」としみじみ思ってしまいました。
さてさて、区民生活費および産業振興費。私が気になった項目と審査内容をあげていきたいと思います。
区民生活費
生活一時資金貸付事業について。生活一時資金貸付事業とは、こちらのサイトによると、『突然の出費で生活費が一時的に不足した方の生活の安定を図るため、1世帯30万円以内(災害、病気、区内転居、葬祭、入学支度などに限り50万円以内)の資金をお貸しします(連帯保証人が必要)。利子は年1.5%、償還期間は25か月以内です。なお、生活保護を受けている方、共済制度によって生活資金を借りられる方は除きます。』という制度のことです。もしこの文章を読んでいる方で該当する生活困窮者の方がいらっしゃいましたら、江戸川区役所・区民課および区役所の各地域事務所の庶務係にてご相談ください。
さて、この生活一時資金貸付事業について、連帯保証人の確保がちゃんと行われているのか、など貸付の要件について「厳しく審査されているか」という質問が行われていました。私個人としては、昨今、某お笑い芸人の母親の生活保護保護受給問題などで、こういったセーフティネットの受給要件を厳しくしようという論調にはいささか反対です。生活保護受給の際の「三親等内の家族に出来れば扶養してもらうのが望ましい」というのと同じですが、連帯保証人の確保といったって社会的に孤立している人や、家族との中がいかんともしがたく険悪な場合などは、どうすれば良いのでしょうか?世の中にはいろいろな家族の形があり、残酷にも親に虐待をされて育った人もいるわけで、そういった場合にその親に頼れ、というのも難しい問題です。もちろん生活保護の問題と、今回の生活一時資金貸付事業の「貸付」の話は、分けて考える必要があります。「貸付」は「返納」が義務であり、その保証として保証人を立てる必要があります。しかし、その保証人が立てられないほど社会的に孤立している人にとって、生活一時金貸付事業は本当にセーフティネット足りえるのか、と少し疑問に思ってしまいました。
生活一時資金貸付事業の話とともに若者の就労支援に関しても活発な議論が行われました。就労支援の場である若者きずな塾の話が出ました。これは毎月毎月第1火曜日/毎月第3土曜日に行われている求職者向けの自己啓発の塾です。無料です。122名が参加して、コンビニやチラシなどでPR活動を行なっているそうです。それから船堀ワークプラザ内にあるヤングほっとワークえどがわ(キャリアカウンセラーによる個別相談、職業適性診断など)の話題や7月22日に船堀ワークプラザ内にオープンしたマザーズコーナー(子育てをしながら就職を目指す方を支援)の話題も出て、これらの事業は積極的に行なってほしい、との議員の要望が出ました。
消費者対策費の話題も出ました。これは振り込め詐欺など、消費者のトラブルを相談できる「消費者センター」にかかる費用だと思いますが、電話口付近に貼れるマグネットシール(横の写真参照)による啓発活動により消費者センターの利用者が5800件から6100件にまで伸びました。区職員の説明によると、「(振り込み)行為を起こす前に電話をすることが増えたから」とのことでした。詐欺の傾向としてはATMによる「振り込め詐欺」から、バイク便や、直接訪問などの「振り込まない詐欺」にシフトしつつある、とのことです。現場の銀行員の監視などによる限界があり、それらの詐欺にシフトした、とのことです。
区の施設の話題もでました。特に指定管理者制度については議案の79号~83号(詳しくは議案のページをご覧ください)にも関連します。指定管理者制度とは、今まで区が管理していた施設の管理・運営を営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体が「代行」できる制度です。特に図書館に関して、江戸川区では他の区と比較しても珍しい全館指定管理とのことで、「せめて中央図書館は区の直営にしてはどうか」との提案が議員から出ましたが、区長の答弁は「レファレンスの知見を持った司書を区の運営で長期的に安定的に確保するのは難しいので、他団体の蓄積された経験に委ねたほうが良い」とのことでした。その他、江戸川コミュニティ会館や総合文化センター、グリーンパレス、江戸川区陸上競技場などの改修工事についての詳細のやり取りがなされました。
江戸川総合人生大学の話題についてもでました。これは江戸川区内在住・在勤・在学する地域貢献を志す人が、地域デザイン学部(江戸川まちづくり学科/国際コミュニティ学科)、人生科学部(子ども・子育て応援学科/介護・福祉学科)の4学科に2年間(受講料2年間6万円/定員25名/年齢制限なし/入学試験なし)学ぶ、というものです。1年次は週1~3日程度、2年次は週1日、専門科目の他に社会活動体験を40時間体験とのことです。私個人的には2年間6万円というのは破格の安さだと思います。今のところ年齢制限なしとされてはいるものの、どうやら現状は高齢者の受講が多いようなので、私も高齢になったら入ってもいいかなぁと思いました。平成16年から開講なのでそろそろ10周年のイベントが行われようとしています。卒業生の地域貢献としては46のグループが、公演美化・外国人への日本語指導を行なっているということです。(参照:新川げんき会 - 「歴史ある“新川”の美化と緑化運動を推進しながら、楽しく元気な川辺の環境づくりを企画・提案し、愛されるまちづくりを考える社会活動プロジェクト」)
産業振興費
創業支援資金融資の話題が出ました。これは、創業者向けのあっせん融資で、住民税を完納しているなど所定の要件に当てはまる事業主ではない個人が、東京信用保証協会の保証と連帯保証人を伴って、償還期間7年以内(据置1年以内)で、融資限度額1,500万円(必要資金の3分の2以内)まで、融資をしてもらえるという制度です。今まで数名の応募があり、現在はまだ収益には至っていないそうです。まだまだ始まったばかりのようですので、頑張ってもらいたいところです。
えどがわ産業ナビの話題が出ました。これは江戸川区に存在する企業やお店などのデータベースで登録事業所の名称、所在地、事業内容、PR文、ニュース等をインターネットで公開しているものです。実際にこのサイトに訪れて触ってみると、アクセスランキングが横に表示されていたり、地図上から地名のところにリンクが張ってあったり、キャンペーン・セールを行なっている事業所の一覧があったり、(こういってはなんですが)官製のウェブサイトにしてはユーザーフレンドリーなデザインだと思いました。利活用された事例についてですが、12件の求人情報を掲載されたところ、2件が決まったそうです。意外と就職活動の穴場かもしれませんね。
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以上、平成24年度第三回江戸川区議会定例会、決算特別委員会の3日目(10/4)、区民生活費および産業振興費で筆者である私が気になった点を項目別にあげて紹介させていただきました。特に、読んでいる皆さんに有益な情報を得ていただきたく思い、議会での発言にはない情報を自分なりに調べて書かせていただきました。ご参考になれば幸いです。
原