江戸川区議会 決算特別委員会レポート 「江戸川区・決算特別委員会傍聴記」傍聴2日目

こんにちは、松江ゴローです。決 算特別委員会の二日目を傍聴してきましたが、そちらの内容について書く前に、まず初日の傍聴記で触れた、「資料」の顛末について書いておかないといけませ ん。決算特別委員会で、委員(20人の区議)と区の職員の手元に置かれている参考資料、昨日、江戸川区議会の事務局では「傍聴者向けには配布していない」 と言われてもらえなかったのですが、その後滝沢泰子区議から、「財務課に行けば借りられるかもしれないよ」と言われ、財務課の方に聞いてみました。

 

結果を言うとそちらでも扱っていなかったのですが、財務課の方から、「2階会計課の庶務係に頼めば閲覧できる」と教えてもらいました

平成23年決算特別委員会資料要求一覧
平成23年決算特別委員会資料要求一覧

江戸川区の一大データベース

 

写真にあるのがその資料。名称は「平成23年決算特別委員会資料要求一覧(平成22年度決算)」です。全部で400ページほどもある分厚い冊子ですが、平成22年度決算の審議をするにあたって区議会の各会派が区に調査を要求し、職員たちが調べ上げた江戸川区に関する膨大なデータ、数々の事実が一冊にまとめられたものです。

 

これにザーッと目を通してみたところ、想像していたよりもずっとスゴいものした。なにしろ区の職員数や人件費の推移といったデータに始まり、区が文具を購入した業者名やその業者に支払った代金、委託事業に払った委託料推移、あるいは生活保護の受給者数や、自殺者の数。さらにはそれらが東京23区で何番目かといった情報まで、事細かに掲載されています。一般の区民やメディア関係者が江戸川区について何かを知りたい場合、これを閲覧するだけで大抵のことは分かる、と言っていいかも知れません。

 

この「要求一覧」、全部は無理だとしても数ページでいいからコピーさせてほしいと思い、庶務係の方に頼んでみたのですが、残念ながらこちらでもコピーさせてもらうことはできませんでした。今日はもう傍聴はしなくてもいいから、この資料だけ持って帰りたい。そう思ってしまうほどに充実した資料だったので残念です。むしろ区の全世帯に、一冊ずつ配ってもいいんじゃないか?とさえ思うのですが……。

区役所ロビー
区役所ロビー

女子職員の制服問題

 

さて、今日審議されるのは、平成22年度決算の「一般会計・歳出の部」です。

昨日も書いたように江戸川区に住んでまだ2ヶ月の私ですが、実は住民票登録のために初めて区役所を訪れた際、少しばかり不思議な印象と言うか、今まで住んだ区の区役所では感じたことのない、ほのかな違和感を感じました。その違和感が何に起因するものなのか今まで分からないままでいたのですが、もしかしたら今日の審議を聞いたおかげで、分かってしまったかもしれません。

 

女性職員の制服
女性職員の制服

お気づきでしょうか?写真は江戸川区役所一階の様子ですが、女子職員の方々は皆さん制服を着用しています。ところが実は、いま東京23区で女子職員に制服を貸与しているのは江戸川区だけ、のようなのです。

 

その女子職員の制服を経費削減のため、「廃止してはどうか」という意見が、今日の午前中の審議で「みんなの党」所属の委員から提案されたわけです。

 

言われて見ればたしかに、私が以前住んでいた杉並区や中野区では男性も女性も私服で仕事をしていましたし、その次に住んだ埼玉県所沢市でもそうだったと記憶していますが、江戸川区役所の女子職員は庁舎内では例外なく揃いの制服を着用しています。先ほど述べた「資料要求一覧」にも、その事実が明記されています。

資料要求一覧
資料要求一覧

しかしこの提案に対し、区の担当課長は「現時点で制服廃止の考えはない」と答弁していました。また最大会派(定数44のうち15議席)の区議会自由民主党も反対のようで、同会派のさる年配の委員などは、「私が●●市役所を視察した時、名札こそ付けてはいたものの、Tシャツやジーンズ、サンダル履きの職員までいた。こういうのを対外的に見た場合どうか。安いスーツを買えるなら買うべき。私は(制服廃止に関しては)全く反対です」と、かなり強硬な反対意見を述べていました。

 

しかしこの意見、穿った見方かもしれませんが、制服廃止に反対するために無理やり極端な例を出しているようにも聞こえてしまいます。

 

たしかに職員の職務に支障を来すような服装は問題でしょうが、「襟付きのシャツ着用」や「ジーンズは禁止」など、最低限のドレスコードを設ければ済むことのような気がします。

制服を廃止した場合、どれくらいの規模の経費削減になるのかまでは今日の審議からは見えてこなかったのですが、仮に廃止してみて期待ほど削減できなかったとしても、引き換えに何かものすごい損失を被る、という話でもないように思えます。むしろ庁内の雰囲気が明るくなりはしないでしょうか?

 

なお、この審議が終わった後の昼休みには、委員会室を後にする女子職員の皆さんの口々から、

「廃止なら廃止でいいんだけどねえ……」

「一日中私服だと洗濯代掛かっちゃうかなあ…」

「たしかにスゴい格好してくる人もいそうな気はするよね(笑)」

……といった会話が聞こえてきました。

午後は区長不在で

 

2日 目の審議はこのほかにも多岐にわたりました。中には、区議会議員の健康診断に関する審議もあったのですが、「民主・ネット・えどがわ」などから出された意 見を聞くと、区議が区の負担で受けている健康診断は区民が受けているものよりも検査項目が多く、コストも掛かっていることから「議員特権」という批判もあ るようです。

 

そ こでやはり経費削減のため、これを簡素化してはどうか、という意見が同会派やみんなの党から出ていました(最近は無くなったようですが、数年前までは健康 診断の時に議員が食べる、昼食代も提供されていたとのことです)。これにも自民党所属の委員は、「どの程度のレベルかは別にして、区のために働く我々は相 応の健康管理をしてしかるべき」と現状維持論を唱えていました。

 

区 議会には建前上、国会のような与党とか野党という区別はないことになっているそうなのですが、やはり審議を聞く限り、「民主・ネット・えどがわ」やみんなの党、共産党、一人会 派の委員たちが区の税金の使い方に関して何らかの異議申し立てをするのに対し、最大会派の区議会自民党が現状肯定的かつ行政側の代弁者的な発言をする傾向 は濃厚にあるようです。

 

最後に今日の傍聴者の数ですが、定員10人に対して、私を含めて6人が傍聴(昨日は3人)していました。しかし午後からの審議は多田区長が公務で不在だったせいか、一気に半減。

区長不在のままで決算の審議ができる、というのもなんだか不思議な気がしたのですが、これは特に問題はないのでしょうか……?